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「どうしたんだい、与謝野」
「なんだよそのエセ王子みたいな話し方は」
「トーマ王子と呼んでくれよ」
「ほざくな。名前雛子の癖に」
僕の名前は当麻雛子。現在の身長は185センチメートル。秘密にはしてないが女の子だ。
「与謝野聞いてよ。今日も手紙貰っちゃった。『あなたをずっと見てました』って」
「女だろ。そんなファンシーな封筒に入ってるってことは」
「当たりー！ 可愛い子なんだー。付き合っちゃいたいくらい」
「止めろ。そういうハナシじゃねーんだよ」
与謝野が再び僕の頭を小突いた。さっきより若干痛い。
「やーでもさ、正直な話。男子が恋愛対象に見えなくってさー。だって与謝野も僕とは系統が違うけどイケメンのハズなのにさ。全くドキドキしない」
「奇遇だな。俺もお前を女と思ったことねーし。ちょうど良いじゃねーか」
「僕より背低いしね」
「うるせぇ巨神兵」
この高校には僕より背が高い男なんてほとんどいない。小さくて可愛い男の子はいるんだけど、やっぱりドキドキはしない。恋愛に興味がない訳ではないのだけど、果たして僕の初恋は、いつになるのだろう？ 僕をドキドキさせてくれる男の子は、どんな人なんだろう？
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