二章

3/10

49人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「お前馬鹿じゃねぇの? 舞のこと知らなかったのか?」 与謝野の蔑むような目には全然胸が跳ねない。 「お前に馬鹿にされるとイライラするよ。与謝野」 「黙れ男女(おとこおんな)」 与謝野は僕の顔をシャーペンの消しゴムの部分でグリグリと刺した。 「あいつ学年トップだぞ? しかもあの身長なのに盲目にも限度があるだろ」 「うるさいなぁ、そんなだから彼女できないんだぞ」 もういい、と与謝野が席を立とうとしたので慌てて僕は彼のセーターを掴む。 「ごめん! 僕が悪かった! 話を聞いて!」 「女友達に聞いてもらえよ……」 与謝野はため息をしながら席に座り直した。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加