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僕は意気消沈しながら、自分の席に座る。
「当麻。自分の弁当、俺の席に忘れてんぞ」
与謝野が僕の頭に空の弁当を乗せた。
「あぁ、ありがとう」
「……あのさ。お前可愛くなりたいの?」
「……どういうことだよ」
「お前さ、今まで男の格好してチヤホヤされて喜んでたじゃん。仮に舞の好みの女になったところで維持できるの? ていうかお前今さら数多の女子より可愛くなれるの?」
正直、自信は無い。僕は「王子」だから。今から普通の「女の子」に戻るのは難しい。それに僕はそれを望んでない。
「お前、あんまり無理しない方がいいと思うぜ。先生に怒られても女装できないくらい我が強いんだから」
僕の身体に忘れていた自信がみなぎった。
「梨未ちゃんには、可愛らしさじゃ及ばない。けど格好良さで勝負するなら、彼女は到底……僕には敵わない!」
この、自意識過剰が。と与謝野が口角を上げた。
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