結末、未だ遥か遠く

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「しっかし……放っておくと、全部の世界が統一されて『宇宙が停まる』とか、無茶苦茶だよな。管理社会なんてもっての外だっつーのに」 「宇宙が停まると、神々も死ぬ。――いずれは、全て消滅してしまう」 「あの種族の技術は発展しすぎたからな……定期的に力を削いで、さっさと絶滅させなきゃいけない」  そう、だから世界ごと滅ぼす必要があった(・・・・・・・・・・・・・・・・)のだ。  世界に移住し、世界を統一する支配国家。  元の世界……僕たちの世界の彼らは、別世界に行くと、数年とかからない内に、そこに生きる全ての生命を支配下に置いてしまう。発展、進化させすぎた魔術、科学を用いて。 「……全く関係のない、別の世界に行く度に思うよ。どうして僕たちの世界の彼らは、ああなっちゃったのかな、って」 「神とか魔法とか、そういうのがあったからじゃないか? あの種族の向上心には限界がないからな。より良く、より便利に、より永く――あー、怖い怖い。ところで、あいつらが書く御伽噺(ファンタジー)だとさ、勇者ってのは、世界を救う代表者みたいなもんらしいぞ?」 「え、そうなの」  それはそれで、ロマンがあっていいかもしれない。  魔王という人物を倒して、世界を救う。そんなに単純な方法だったら、どんなに良かっただろう。
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