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「わ、志保また2位?本当に尊敬するわ。」
返却された私のテスト成績表を覗き見た友達は羨ましい、というように私を褒めた。
「…ちょっと、勝手に見ないでよ。」
私、田中志保は大して喜んでいないのだけれど。
あんなに勉強して32人いる中で2位。本当は泣きたいくらいだった。どうしてって。あんなに頑張ったのにって。
そんな気持ちがブルーな私は密かに喜びを噛み締めているだろう宿敵の鈴原恵美をキッと睨んだ。
彼女は仲のいい友達と何やら2人で話しているので勝手に話の内容を想像したりして。
「えぇ~、凄い。恵美また1位じゃん。部活だってバイトだってしてるのに。遅くまで勉強してるんだ?」
「そんなでもないよ~。」
…と。想像上だけどやはりイライラする。勉強量増やした方がいいかな、なんて。
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