そんな感情

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高校2年生の時はクラスにあの子がいなかったし、勉強も今よりずっとしていたから私が1位だった。 けれどあの子と同じクラスになってからずっと2位。 恵美とは別段仲良くはなく、ただのクラスメイト。彼女は人当たりが良くて、優秀で、面白くて、それでいて顔が整っていて、自分の意見がはっきり言える。部活もバイトも…そしてたまにボランティア活動もしていながらこの成績である。 彼氏だっているしなぁ、と机に突っ伏してこの世の不公平さを心の中で嘆く。 私なんていたことないから!と。 私は部活も、バイトもしていない。することは勉強と好きなドラマを観ること、友達と話すことと、そしてSNSのチェック。そんなことしてるから勉強できていないんだよな、知っていますよと独り言をつぶやいて今日すべきことをうだうだ考える。 …あ、そうだ。お父さんに、メールを送らなきゃ。 私のお父さんは単身赴任中で、成績は必ず送るようにと言われてある。 いつも返ってくる言葉は 「他人を蹴落として1位を取りに行きなさい。」 で、正直息苦しい。お父さんは学生時代、頭が良かったからきっと凡人の私の気持ちなんてわかるわけない。…またきっと今日も言われるんだろう。 …恵美は、きっと天才肌。 すぐに暗記だった出来ちゃうんだろうな。私は、うんと勉強しているのに。 やっぱり、天才なんて嫌いだ。
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