最後のわがまま

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2週間後、一本の電話が入った。 病院からだった。 「本間陽太さんが先日お亡くなりになりました」 後から聞いた。 ずっと前から、余命宣告をされていたこと。 『前から海外出張の話はあったんだ……。言い出せなくてごめん』 視線を逸らしながら、耳を触っていた陽太。 嘘だってわかってた。 それでも、言えない理由があるんだろうって。 その日、私の目からは、一生分の涙が溢れた。 さよならの握手をした手を、そっと握りしめながら。
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