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「キビシイ…これはキビシイよ…!!!」
私はその途方もない無理ゲーっぷりに頭を抱えていた。何故なら私は全く料理が出来ないのだ。
「なんでこうなったのぉぉぉ私食べるの担当だもん料理なんてしたくないよぉぉぉぉ」
4月に入部して以来、私はほとんど包丁すら握ってこなかった。入部当初は先輩に叱られみんなを手伝うこともあったがあまりの不適合っぷりに逆に手を出すなと叱られ、「何もせずに完成を待つ係」として不動の地位を築いていた。
私一人しか部活に出ないのなら…とサボったこともままあったが、「部費をがっつり出した矢先なのでどうにか活動してくれ」と生徒会長に直々に叱られ、活動の実績がないと来年度は家庭科部の存続自体が危ぶまれると先生にどやされ───。どうにか他の部員が戻るまで、せめて親友のマミがヘルニアを治して退院するまでは私一人でもこの部を守らなければならない。
「あーあ…顧問の田村先生、今日も来てくれないのかな」
顧問の田村先生はとっても料理上手で穏やかで美味しいお菓子を作ってくれる素敵な先生だ。しかし再任用のおばあちゃん先生なので放課後はすぐに帰ってしまい、部活にはめったに顔を出さない。なので私は本当に一人なのだ。
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