ひとつ屋根の下

プロローグ

恋愛には興味が無かった。

ーーー物心ついた時から、独りぼっちだったから。

最近はよくある話かもしれないけど、幼い頃に両親が離婚した。女手ひとつでここまで育ててくれたことには感謝してるけど、この人の男癖には長年ウンザリしている。

去年、私が16歳になるまでに、父親が3回変わった。

その度に苗字は変わるし、学校も変わるし、振り回される娘の身にもなって欲しかった。

今、母親は3回目の離婚を終えて、新しい彼氏が出来たらしい。

本当に、くだらない。

恋愛なんて、くだらない。
なんなら、友情だって信じていない。
環境の変化について行くのがやっとで、そんなこと考えている暇すらなかった。

あいつが、私の世界に入り込んで来るまでは。