第2話 女騎士

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「どうぞ、お入りください」  入るように促され、ナポレオンたちは教会の荘厳さに圧倒されながらも中へ入った。  中にも天使の像がいくつも飾られ、天使や神に(ちな)んだ絵画がアーチ状の天井や描かれている。そして、何より目を引くのは大きな白い棺が置いてある祭壇とそれへと続く真っ赤な絨毯が敷いてある身廊である。  あまりの美しさと荘厳さにナポレオンは感嘆の声を漏らした。 「……すっげぇ。…ジャンヌ、お前、ここに住んでるのか?」 「ええ、幼い頃から。親がいなかったので、司教様が親代わりでした。その司教様も一年前に亡くなられましたが」  ジャンヌはそこで言葉を切り、咳払いをして話し始める。 「さて、本題に入りましょうか。ああ、その前にお名前を聞いていませんでしたね」  そう言われて、二人は名を告げる。 「ナポレオンとレオナルド、ですか。では、単刀直入に言います。私をあなた方の旅に同行させてもらえませんか?」 「何で同行したいんだ?神のお告げだからか?」  そう返すナポレオンにジャンヌはすぐさま答える。 「それもありますが、もう一つ目的があります。……私は宝玉『聖女の涙』を手に入れたいのです」
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