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今日はここに泊まってくか、と決めたちょうどその時シェリーが地図を持ってナポレオンたちのテーブルに戻ってきた。テーブルを空けて地図を広げると、ユーテルシア大陸全体が描かれており、シェリーが指を差しながら説明する。
「今いるヒュラト街がここ。で、マザーテレサがいるという村がここだよ。この村は年がら年中冬だからあったかい格好していくといいよ」
「ありがとう、シェリーさん。ご馳走さま、俺たちはこれで失礼するよ」
そう言ってナポレオンは、食事の代金を置いて席を立って出口に向かって歩き出した。ジャンヌとレオンもそれに続いた。しかし、シェリーがすぐさま彼らに声をかけた。
「待ちなよ。あんたたち、今日この街で泊まってくのかい?」
「うん、そうだけど……」
「なら、うちの二階に泊まっていきな。うちは宿泊もできるからね」
シェリーの言葉に甘えて泊まる所を無事確保できたので、荷物を部屋に置いてから情報集めも兼ねて街を散策することにした。
街に出ると、すっかり日が暮れており、どこも明かりが付いていた。そして、賑やかで楽しそうな声が店から漏れ聞こえてきている。
誰にも察せられないように周りを気にかけながら、ナポレオンはレオンに視線で合図を送った。その合図でレオンはすっと懐に入れてある魔法の筆を出した。
「……全く、うちのリーダーは策士だねー。シュバルツヴァイラス」
彼は呪文を唱えながら筆を振った(彼の筆は魔法を使う時の杖の役割も果たしているのだ)。すると、小さな竜巻がいくつも発生し、散らばって、全ての店や宿に一つずつ入っていった。
「これで全部の店から情報を集められる」
「ありがとな、レオン。……さて、武器屋でも行くか!」
ナポレオンは明るい声を出した。それにジャンヌとレオンが賛成する。
「私も、片方の剣がだいぶ古いので買い換えようと思っていました」
「僕もいい杖があったら買おうかなー?」
武器屋を探し歩いていると、錆び付いた看板が掛かった武器屋を見つけた。そこに入ると、「いらっしゃい」と店主の老人が出迎えてくれた。
店内を見て回ると、かなり上質な武器が数々置いてあった。レア物が多く取り扱われていて、剣士であるナポレオンとジャンヌは若干興奮気味で語り合いながら武器を見ていた。レオンも色々置いてある杖を見るが、やっぱりどれがいいか分からないといった感じだった。
その時。
「……っ!?」
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