7割は宙からくる

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* 一応3人とも家の者にこの出来事を報告した。しかし五右衛門風呂の焚き方が悪く一酸化炭素中毒で朦朧としていたのだろうと厳しく叱責されて病院で診察を受けさせられたり、五十嵐食堂で食べたものが怪しいと疑いをかけたり、そもそも聞いてくれなかったりと概ね予想通りの反応を示した。そのため3人は迷うことなく仙人のもとに向かった。 仙人は3人の話を興奮した様子で聞き入った。すっかり話を聞き終えて、仙人はその余韻に浸るように大きく息を吐いて揺り椅子に深く座り直し、しばらく目を閉じてフワフワの髭を撫で回していた。今年15個目の台風の吹き返しの風が窓をガタつかせている。やがて仙人の言葉を辛抱強く待っていた3人に仙人が語りかけた。 「お前さんたち、とんでもない経験をしたの。実に羨ましい。」 「これはどういうことなんだろう」ドンが心配そうに言った。 「はっきり言って、わからん。説明がつかないことがお前さんたちに起こったんじゃ」 「なんだかとても強い気持ちに駆られたの、私たち」リコが言葉を続ける。 「なんとかしなくちゃ、っていう衝動」リコの言葉にマサとドンは頷いた。 「でも何をどうしなくちゃいけないのか見当もつかないし、とっかかりが全く分からない」と、マサが静かに言った。仙人はウームと低く唸ってから「歴史資料館に行ってみてごらん」と3人を見まわした。 「昔、伊佐市に落ちた隕石のことが展示してあったはずじゃ。お前さんたち、最後に流星を見たんじゃろ。何か分かるかも知れん」  仙人がいう歴史資料館とは、大口ふれあいセンターの4階にある歴史民俗鉄道資料館のことだ。マサたちは遠足で行ったことはあったが、日本で数台しか残っていないという巨大な天秤があったこと以外は展示内容までは覚えていない。3人はさっそく出かけることにした。
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