7割は宙からくる

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「3人だ」マサが呟いた。ドンとリコと仙人はマサを見た。マサは絵を見ているのか宙を見ているのか分からないところを見つめている。 「リコのおばあさんはネックレスを見つけに行くのは3人で行きなさいって言ったんだよね?僕たちが見つけた木片は3つ。絵に描かれている棒人間も3人。強兵衛の石も3つ。僕たち3人で見つけたこの絵はきっと3つで完結してる。だからストーリーはこうだよ」 仙人は満面の笑みでマサの話を聞いている。ドンとリコはマサの話を黙って聞くしかなかった。 「7つの隕石が現れた。3人は3つの隕石を持って、曽木の滝の強兵衛の石の所へ持って行くんだ」マサの言う通り3枚の絵だけで完結するにはその筋書きしかない。もう一度長い沈黙が4人を包んだ。外の風はもう窓ガラスを揺らしていない。 「それが…なんだっていうこと?」ドンが頭の中を整理しようとポツリと言った。 「分かるでしょ、ドンちゃん」リコがドンを見て言う。「私たちがそうするのよ」。 マサもそれはもはや確信に変わっていた。あの五右衛門風呂での光景を思い出せば、自分たちがそうすべきなのだ。 「分かってるよ」ドンも理解している。ただマサとリコに確認したかっただけだ。 「たださ。見つかった隕石は5つしかないし、全部世界中のどこかの博物館に保管されてるんだよね?3つもどうする?」 マサはそれにどう答えていいか考えつかなかったが、リコは歴史資料館でメモしていた記録を読み直してニヤリと笑った。 「拾い上げられた隕石は5つ。でも落ちた隕石は数ヵ所と書いてあった。実際落ちた隕石は7つなんだわ。拾われなかった隕石があと2つあるのよ、きっと」 仙人はホホーと嬉しそうに唸った。 「オッケー。じゃあ拾われなかった2つを見つけに行こう。で、あと1つ。一番身近にある隕石は鹿児島市だよ。借りに行くの?」 「いや、向こうからくる」マサはもうすぐ移動博物館が伊佐市に来ることを思い出した。
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