0人が本棚に入れています
本棚に追加
メタルレア社の嵐が吹き荒れている最中、リコの祖母が亡くなった。
風邪をこじらせて病院に入院してからとても早かった。例によって父親はメタルレア社のことで忙しくしていたので、リコは1人毎日病院に通い、弱くなっていく祖母と最後まで向き合っていた。だからお通夜の日、マサとドンにはリコがとても疲れているように見えたし、事実、忌引きが明けてもリコは数日学校を休んだ。
リコがようやく登校した日、マサとドンは飛び上がりたくなるような嬉しい気持ちを抑えずにはいられなかった。マサはリコが休んでいた間の学校での出来事を詳しく話して聞かせ、ドンは給食の内容を詳しく聞かせた。
「ここんとこの話、どうもありがと。ところでキミ達、終業式のあと、一緒に綺羅(きら)綺羅(きら)橋に行ってくれない?」
マサとドンの話が一通り終わったと見計らったリコが喋りかけた。
「未来館の近くの?」「あそこ、なんだっけ」
「行ってくれるの?行かないの?」
2人の質問を遮ってリコがたたみ掛けると、2人は反射的に「行く」と答えた。
「ヒミツのことがあるの。詳しくはそこで話すね」
マサとドンは同時にカレンダーを見た。終業式は明々後日だ。
最初のコメントを投稿しよう!