第1話

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「そうなんだ。…海斗さん、意外に遊んでいるよね」 「こーら。大人にはいろいろあるんだよ」 「へー」 「美月ちゃんは、世界が終わるまで何がしたい?」 白い目で私が見つめると、ばつが悪くなったのか焦ったように話題を戻した。 「私は…」 (海斗さんとずっと一緒にいたい) 心の中にすぐに浮かんできた言葉を思わず首を振って打ち消す。 ただ笑って、いつもとふざけたように返そうと思って、口を開いた。 「私は海斗さんとたくさんデートしたいな」 無邪気な笑顔でとっさに言った言葉の意味に気づいて、顔が真っ赤になっていく。 海斗は少し驚くように、目を大きくさせていた。 (何を口走ってしまったの、私!) 「あの、その。…私、そう!海斗さんみたいな彼氏を作ってデートしたかったなって」 「そっか」 驚いた顔から、いつもの笑顔に戻った海斗を見て、ホッとした。 「ねぇねぇ、私のわがまま聞いてくれるんでしょ?だったら、彼氏とするようなデートして?」 にっこり笑いながら、上目遣いでお願いしてみる。 (絶対、やんわり断られるけど、これぐらいの冗談だったらいいよね) そう思いながらも、心臓が再び鼓動が早くなっているのがわかる。 「いいよ」 「…え?」 「美月ちゃんの彼氏」 「本当に?」 「…妹のわがままは聞いてあげないとね」 そう言いながら笑う海斗を見て、夢でも見ているような気がした。
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