第2話

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第2話

「どうしよう!」 「どうしようって、長年の片思いがかすかに前進したことを喜んでいいも思うけど」 「そうなんだけど…」 海斗が彼氏(仮)になった翌日、教室で弁当を食べながら、友達の真里にそのことを話していた。 「でも、結局そのあと手も繋がなかったんでしょ」 「うん」 あのあと、いつのまにか家についていた。 海斗が「明日から改めてよろしくね」と言って帰っていく背をずっと見ていたと思うのだが、あまり覚えていない。 「海斗さんの意図もわからないけどさ、美月は今嬉しいよね?」 「嬉しいけど、ずっと妹としか見られてなかってんだよ?同情かもしれないよ?無理させているかも」 (妹のような女の子への使命感かもしれないし。…もしかしたら、軽い女だと勘違いされたかも) いろいろなマイナス要素が浮かび、頭の中でぐるぐる考えこんでいると、真里に両肩を強く叩かれた。 「落ち着いて!少し考え方を変えてみて?あと3週間で世界が終わるんだよ?」 「うん」 「たとえ同情でも、海斗さんがやめようと言うまで楽しみになよ!むしろ、猛アタックして、惚れさせちゃいなよ」 「え?」 にんまり笑って、真里は言った。 「海斗さん、今フリーだというなら可能性あるじゃん!私たち、今現役JKだよ?…よし!そうと決まれば作戦会議っと」
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