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「おーい!駿太、帰り一緒にカラオケ行かない?」
淡々と帰る準備をしていた僕の前に、キミがやってきた。
「あぁ、ゴメン。今日は姉さんに頼まれたものを
届けるために早めに帰らなきゃいけないんだ。」
(せっかく一緒に居られたのにな。)
「薫姉ちゃん?体調回復してきた?」
「うん。姉さんの体調はだいぶね。
退院したら会えるよ。」
「分かった。薫姉ちゃんによろしく!」
そう言ってヒラヒラと手を振り、キミは去っていく。
名残惜しい背中を僕はぼんやり見つめてしまった。
(ヤバい。姉さんの面会時間遅れる。)
僕、杉浦駿太(すぎうらしゅんた)は昇降口へ急いだ。
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