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家に帰ってスマホを見るとカイリからカラオケに行った面々との写真が送られてきていた。
カイリは友だちが多いほうだ。
僕は、どちらかというと静かに本を読んでいたいタイプだから群れるのは好きじゃない。
なのに、いつの間にか出来上がっていた男グループの1人として頭数に入っていた。
明るい弟気質なおっちょこちょいなカイリ。
メガネ姿が、似合うムードメーカーなルウ
武道男子なのに、裁縫と料理が得意なタツキ
そして僕。
大体いつもつるむのは、この四人。
カラオケに行っていたのは、僕以外のこの3人と女子生徒たちだった。
その中の女子、
東雲安里香(しののめありか)が、
カイリの腕に巻き付いて映ってる姿にやや、
嫌悪感を感じてしまった僕は、適当なスタンプを
送ってスマホをベッドへ放り投げてお風呂へ向かった。
(いいよな。女子は何にも意識せずに、
ただその場のノリで、こういうことができるんだろうな。)
意識すぎてしまうのか、僕はカイリに必要以上に触れることは出来ない。
でも、僕の気持ちなんて知らないカイリは無邪気にいつも僕の背中を叩いたり、友達として何の不自然さもなく触れてくる。
その一挙一動に僕が揺さぶられてることなんて何も分かってないんだ。
カイリと友だちでいるつもりなら
僕はそれ以上、何もしなければいいんだ。
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