40人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
ネームプレートを確認すると康介の名前が書いてある。
消灯時間はとうに過ぎているので、部屋から明かりが漏れることは無い。
薄暗い病室にそっと入ると、康介の足は固定器具で吊るされていた。
(骨折したのね、ざまぁみろ)
内心毒づきながらベッドに近づくと、スカートの上から太ももを触られた。
「きゃっ!?何すんのよ!」
驚いた香織は、思いっきり康介の顔面をひっぱたいた。
「いってぇ!その声、香織か?」
香織はサイドテーブルの上にある照明のリモコンを見つけると、少し明るくした。
康介は頭や腕にも包帯を巻いている。
「まったく、何してんのよ……」
「バイクで走ってたら車に突っ込まれたんだよ……。そんな事よりさ」
康介は期待の目で香織を舐め回すように見た。
「そんな事考えられる余裕があるなら問題ないわね、個室から出なさい」
「個室しか空いてなかったって言われたんだよ……」
「じゃあ外にいなさい」
「虐待だ!」
「アンタは例外よ、この変態。ナースや女医に何かしたら容赦しないから、それじゃ」
香織は一方的に言うと、病室から出てナースステーションへ戻った。
「どうだった?」
真由美は相変わらずニヤニヤしている。
「真由美、医療プレイでアイツとっちめたいの。協力して」
「オーケー、仕事終わったらうちに来なさいな」
怒りに震える香織を見ながら、真由美は舌なめずりをして笑った。
最初のコメントを投稿しよう!