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康介とセックスレスになって以来、香織は週に一度はラブホテルに来ては自慰でストレスを解消していた。
病院の更衣室に着くと、香織はナース服に着替える。
ヘアゴムとピンでピシッとまとめた黒髪、ベージュのストッキングに膝下スカートの純白ナース服。
清潔感溢れる白衣の天使の出来上がりだ。
夜勤ナースの香織がナースステーションに顔を出すと、入れ違いの後輩が神妙な面持ちで駆け寄ってきた。
「香織さん、康介さんが入院しましたよ」
「え?あのバカが?病気とは無縁だと思っていたんだけど……」
「なんて事言ってるんですか……。病気じゃなくて事故です。204号室にいますよ」
(個室じゃないの……)
香織は頭を抱えた。
「そう、見に行ってみるわ……。報告ありがとう、お疲れ様」
「はい、お疲れ様です」
後輩が頭を下げて出ていくと、香織はうんざりしながらデスクに座った。
「おはよう、大変ねー」
ニヤニヤしながら隣のデスクに座るのは、同期の真由美。
患者を食い荒らすためにナースになったも同然のビッチだ。
「本当に嫌になっちゃうわ……。医療プレイが好きだし、アンタにあげる」
ほとんど康介に愛想を尽かしていた香織は、投げやりに言った。
「どうせならトラウマになるような医療プレイしてやったら?協力するわよ?」
真由美は楽しそうに、囁くように言った。
「あのバカにトラウマ植え付けてやるのはいいけど、とりあえず様子見てくるわ」
「いってらっしゃーい」
香織はヒラヒラと手を振る真由美に見送られながら、204号室へ向かった。
「……個室なんて生意気ね。どうせたいした事ないんでしょ?これで実家がボンボンって話は信じてやるけど、ピンピンしてるに決まってるんだから」
香織はぶつくさ文句を言いながら、病室の前まで来た。
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