デザインカプチーノに心を映して

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 「お腹に少し余裕はありますか? デザートにフォンダンショコラがあるのですが、いかがですか?」  食事が終わったところを見計らって、立ち上がりながら聞く。  渚さんは名残惜しそうにしながらも首を振って、「ケンちゃんが待っているからもう帰らないと。」と断った。    「それじゃあ、私も一緒に帰ります」  杏さんが自分のバッグに手をかける。  「杏さんはデザート、いただいていって。せっかくマスターがごちそうしてくれるって言っているし」    渚さんは杏さんを押しとどめて帰り支度を始めた。  キャッシャーに移動すると、渚さんは「杏さんの分も支払っていくから」と僕に耳打ちしてきた。  うなずくと渚さんは僕を見つめて、何か言いたそうにしていた。  「なんでしょうか?」  パーティーの事で、何か聞きたいことでもあるのだろうか?  「なんでもないわ。がんばって。じゃあ、私は帰るわね」  渚さんが帰ってしまうと、急に緊張してきた。杏さんと二人きりになるのは、卵かけご飯以来のことだ。     
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