火の神

12/12
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
「やっちまったなあ~」  帰り道、父親は頭を抱えてしゃがみこんだ。 「いや。でも、うん。父ちゃん、わっぜかっこよかった」  そういうと、父親は顔をそむけて、立ち上がった。 「おお、そうか」  怒ったような声だ。  しかし、だいぶわかってきた。  照れているのだ。  父親は「そうか、そうか」と言いながら足取り軽く先を行く。 「待ってよ」 大地も父親の横について歩いた。自分の意志で。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!