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「はい、お任せください」
廊下の先にある給湯室の掃除に取りかかった。なんせ前職はファミレス店員、仕事中に暇があったら常にどこかの掃除をしていたのでお手のものだった。特に台所周りの掃除は手際良く出来る。給湯室の流しの下から掃除道具を取り出すとものすごい速度と正確さでシンクと電子レンジをピカピカに掃除した。
戻って先ほどの女性に終了報告をすると、
「え?もう終わったの、すごいね。じゃあ給湯室でお茶入れるから一緒に覚えてくれる?まずは社長の灰皿下げて来て。必ず、失礼いたします灰皿の交換させて頂きます、お飲物はコーヒーと日本茶どちらがよろしいですか?って聞いてきて」
紗智はメモるほどでもないのでその場で声かけの台詞を暗記して、フロアの奥に向かって長坂社長に声をかけて灰皿を下げる。長坂社長はいきなり机をバンと叩いて紗智を睨み付ける。
「お前馬鹿か?佐野が教えた台詞そのま言ってるだけだろ?まずは今日から入った新人なんだから挨拶くらいしろや」
紗智はヤクザ並みの口調に驚きつつも、今日からお世話になるのに挨拶してない自分に非があるのは確かなので、
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