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「終わりの会」
それでは終わりの会をはじめます、と日直の司会が言って、学校の最後の時間割後にある終礼が始まった。
夜間の学校で昼間は芸能活動をしている主に15歳以上のアイドル予備軍が在籍している養成学校だ。
「なにかうれしかったことや、いやなことはなかったですか。あれば手をあげてください」
一人の男が手を挙げた。
「今朝未明、ミイナちゃんがラブホテルから出てくるのを見ました」
いつもの暴露合戦が始まった。
「枕営業もしてましたね?」
「それいっちゃだめやろ。
だめなやつやん、ゆったら」
クラスで好きな人もいるのに恥をかかされたミイナ。
「地下アイドルのイベントで
建設会社社長にガバッとCD買ってもらったら
股をガバッと開かざるを得なかったんです」
ミイナはいいわけをした。
隣の男子が笑っている。
左端で担任も「お前そういう話すきやな」とつられて笑っている。
別の男が手を挙げて言った。
「昨日深夜、デリヘルを頼んだらカリナが来ました」
「おれもある」「おれも」
「鬼出勤かよ」
カリナはヌーブラを剥がして投げてきた。
「あんた、いつか終わりの会で言うからな」
だんだん収集がつかなくなり司会が締めた。
「それではこれで終わりの会を終わります。
お疲れ様でした」
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