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戦争が起きたその年、全世界で平等平和宣言が行われ平和な世界が訪れた。
新しい世界では争いという争いが全て無くなった。裁判という概念すら無くなっていった。
こんな世界をもたらしたのはごく普通の大学生であった山本だ。
2035年に第三次世界大戦が勃発した。
今まで第三次世界大戦は核によるものだと思われていた。しかし、実際に蓋を開けてみると、AI同士による終わりの見えないものだった。
AIは何も悪くない。悪いのは全て操作している人間の方だ。そう分かってはいるのだが、AIを憎まずにはいられないほどに人が殺された。
この戦争がいつまで続くのか誰にも分からなかった頃、あるニュースが全世界を駆け巡った。
大学生が快挙!と。
戦争によって憎しみと悲しみを抱き心身共に疲れ果てていた人類は歓喜に包まれた。
中には山本を神と崇める宗教団体までできた始末だ。
そんな山本には唯一友人と呼べる者がいた。
今宮春登(享年19歳)である。
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