音楽室

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一年の冬、部活中の怪我をきっかけに、俺はテニス部を辞めた。怪我は大したことなかったのだが、休部しているうちに何だか面倒くさくなったのだ。 お陰でようやく、聖羅づくしの毎日から解放された。朝から晩まで纏わりつかれちゃ、たまらない。 そんな時、声を掛けてきたのが、軽音部の木ノ下。 たまたま一緒にカラオケ行った時、「お前、うめぇな。うちのバンドのボーカルやらね?」ってスカウトされたのだ。どうやら、ボーカルが抜けて困っていたらしい。 てな訳で、暇を持て余していた俺は、二つ返事でその役を引き受けた。 聖羅には散々、「軽音なんて似合わない」と罵られたが。
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