音楽室

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気が付くと、季節は変わり、俺たちは二年になっていた。 きっかけは、木ノ下のまるで思い付きのような提案だった。 ずっと、アーティストのカバーがメインの俺たちだったが、それだけでは物足りなくなった木ノ下が、ある日突然「オリジナルやらね?」と言い出したのだ。 それならまだしも、「お前、曲作ってくんね? 歌、うめぇし」と、訳の分からない理屈で、俺に白羽の矢を立てたのだった。 さすがに皆反対すると思ったが、俺の予想は大幅に外れ、「いいね!」の見事なハーモニー。ゴスペラーズか。 結局、メンバー全員に押し切られ、全く納得のいかないまま、俺が曲を作るハメになってしまった。
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