第1章

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私は誕生日がきらいだ。というより、 年を取るのが好きじゃない。 でも、十二歳の誕生日はあと一ケ月後にせまっている。 「はぁ」 なんだか毎日ため息をついている気がする。 「三浦!」 「はい!」 反射的に立ち上がった私をみんながじっと見つめている。 「ここの問題を解くんだぞ」 えっ、えっ、え~。 授業聞いてなかった~。 すると、 私はぺこりと頭を下げて 「すいませんでした!」 と言った。 「ちゃんと話を聞け!もう六年生になるんだぞ」 はぁ。 今日、ため息二回目。 ふ~。 やっと帰る時間になったよ。 外に出るとすごく寒い。 手袋をはめて門を出る。
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