第1章

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七×八だよ。教科書チラッと見れば分かったのに」 はぁ。 私ってうそがつけない性格。いわゆる素直。素直に笑って。素直に泣いて。素直に謝って。でもね、かほ、この性格は生まれつきなの。 あぁ。 かほだったら、あのとき怒られずに済んだのかな。 家に帰ると、ランドセルを置いてリビングで一休み。すると、 「ななねえちゃーん」 あぁ。 うるさいのが来たよ。私の妹の三浦かな。 小学三年生でやんちゃ。おてんば。しかも、いつも私をだます。 タッ、タッ、タッ、タッ、 階段を降りてくる音。 もしや… 「今日の夕飯は~♪」 ルンルン気分でやって来るのは、 私の姉の三浦のあ。 ママとパパは仕事で忙しいから、いつも代わりに家事をしている。 そして、怒るとめちゃくちゃ怖い。だから、かなは、いつも私をだますんだ。 自分ではすごく怒っているつもりだけど、かなは何とも思わないみたい。 はぁ。 これで五回目か。
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