プロローグ

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プロローグ

 1950年代、CIAによる極秘洗脳実験計画が本格的にスタートした。それは「MKウルトラ計画」と呼ばれた。中心になったのは当時のCIA長官アレン・ダレス。アイゼンハワー元大統領から絶大なる信頼を得ていた人物だった。1955年、ダレスがウィルソン国防長官に提出した報告書には「MKウルトラ計画」の実態が記されている。 「1951年以来、CIAは各種の実験を通じ、LSDによってもたらされる異常行動の性質、投与量に対する変化、環境および個人に関する要因などについての重要な情報を蓄積してきた。長期にわたって繰り返し行う投与が行動にもたらす影響についても考察を重ねてきた」  LSDというのは向精神薬の一種であり、早い話が幻覚剤だ。それを長期にわたって繰り返し投与すると、人間の精神にどのような影響を与えるのか、その情報を蓄積してきたというのである。しかも報告書には実験の情報はCIAのみならず、陸海空軍すべてが共有していたとも書かれている。まさに国家規模の人体実験プロジェクトだった。
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