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その夜、うなされる斎藤。
「どうなってんだ!」
と声を上げて目を覚ました。
「何? 何よ、龍ちゃん!」
隣で寝ていた輝美も飛び起きる。
「あ? 俺、今声を出してた?」
キョトンとしている斎藤。
「もう、ビックリしたよ~」
「変な夢を見ていた」
「そう。明日また教えてね。寝るよ・・・」
と輝美は再びベッドに横になる。
(正夢ならそうなるだろう。ただの悪夢ならこれで終わりだろう)
寝ボケて変な解釈をすると斎藤も横になった。
真っ暗な森の中を歩く男。
その背中を客観的に眺めていた。
それが自分なのか、他人なのか分からなかった。
突然周囲が明るくなり、大勢の男達に取り押さえられる男。
何故かそれは斎藤自身になり必死に抵抗している時に目を覚ました。
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