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「まずこの任務に君たちが選ばれた理由から伝えよう」
「・・・・・・」
「二人とも独身であるという事。そして口が硬いという事」
「・・・・・・」
内容が気になる二人。
「そして何より、二人とも未来を担う優秀な人材であるという事だ」
優秀と言われて悪い気はしない。
「はぁ」
柿崎の口元が若干ほころんだ。
「この仕事を受ける前に、この件に関する内容を誰にも口外しない事を約束し、その誓約書にサインして欲しい」
と青木室長は言うが、まだどんな内容なのか知らない。
「どのような仕事なのでしょうか?」
斎藤が聞くと、
「それも言えないんだ。ただ直接君たちが危険に晒される事は無い」
「・・・・・・」
斎藤は返事に困惑した。
「この仕事を達成した暁には確実な出世が待っているだろう」
それを聞くと、
「僕は受けます」
と野心家の柿崎は即答した。端正な顔が緊張でこわばっていた。
「そうか、よろしく頼む。で、斎藤君は?」
と聞かれて斎藤は返答に困る。
「その仕事は公安として受けるような内容でしょうか?」
と質問した。
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