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「話が脱線しましたね」
と笑う柿崎。
「いや、いいんじゃねぇか? お前個人を知れた気がするよ」
斎藤もニヤッと返す。
「斎藤さんは何で結婚しないんですか? 彼女はいないんですか?」
ニヤケながら柿崎が聞くと、
「いるよ。ただ忙しくて婚期を延ばしているだけだ」
と答えた斎藤。
「意思はあるんだぁ。そうかぁ・・・」
柿崎は不服そうな顔をする。
「この仕事が終わったらって考えてもいる」
「なるほど、出世が懸っていますもんね」
柿崎はますますニヤける。
「お前だってそうだろが。二つ返事だったじゃねぇか」
口を尖らす斎藤に、
「僕は始めからそうじゃないですか。出世目当てですよ」
と柿崎はハッキリと答える。
「まぁいいや。男は出世欲がなければ大物にはなれないもんな」
「そうですよ。僕は斎藤さんより出世しますよ~」
「上等、上等。その勢いだ」
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