第2話  引越し

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「話が脱線しましたね」  と笑う柿崎。 「いや、いいんじゃねぇか? お前個人を知れた気がするよ」  斎藤もニヤッと返す。 「斎藤さんは何で結婚しないんですか? 彼女はいないんですか?」  ニヤケながら柿崎が聞くと、 「いるよ。ただ忙しくて婚期を延ばしているだけだ」  と答えた斎藤。 「意思はあるんだぁ。そうかぁ・・・」  柿崎は不服そうな顔をする。 「この仕事が終わったらって考えてもいる」 「なるほど、出世が懸っていますもんね」  柿崎はますますニヤける。 「お前だってそうだろが。二つ返事だったじゃねぇか」  口を尖らす斎藤に、 「僕は始めからそうじゃないですか。出世目当てですよ」  と柿崎はハッキリと答える。 「まぁいいや。男は出世欲がなければ大物にはなれないもんな」 「そうですよ。僕は斎藤さんより出世しますよ~」 「上等、上等。その勢いだ」
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