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輝美とのデートの後は大抵が輝美のマンションに転がり込む。夕食は帰路の中華レストランで済ませた二人は、この日もマンションにいた。そんな斎藤のために輝美は安い下着とTシャツ、Yシャツを買い込んでストックしてある。リビングのクッションのような座布団に寝そべる斎藤。
ふとテレビ下の収納棚にある文庫本に目が行った。
《サタニスト達の世界支配計画 須郷大典》
「はん? 輝美、何これ?」
輝美は脱衣所で洗濯物を干している。
「何が~?」
いきなり「何これ」で遠くから意味が分かるはずもない。
「この本。テレビの下の本」
「どんな本だっけ?」
向こうで輝美が聞き返す。
「サタニストってやつ」
と言って斎藤はその本に手を伸ばす。
「ああ、それ? 友達から借りたの。借りパクみたいになってた。ずっと読んでいなかったわ。何か難しくて」
と輝美はリビングに来て寝そべっている斎藤を見下ろす。
「ふーん・・・」
パラパラとページをめくる斎藤は目次に目を通した。
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