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モゾリ。
次の瞬間、チワワの側に置かれていた綿あめが動いた!
ムクリと綿あめが起き上がる。
いや、綿あめじゃない、
こいつ、犬か?
真っ白でぷわぷわな毛で覆われたスッゴいデカイ塊が目の前にいる。
黒いつぶらな瞳で嬉しそうにこっちを見てるじゃないか?
だが、そんな事よりもその後ろ…。
筋骨隆々、その体にピタリと張り付いたような艶やかな茶色と黒の毛。
耳はピン!と天井を向いて立ち、そしてその耳まで届かんばかりに裂けた口。長い舌がぶら下がっている。
俺は数歩後退りペタンと尻餅をついた。
何?こいつ…生き物?犬か?
ゴツい首輪をスタイリッシュに決めたそいつがノソリ…動いた!
キャー、来ないで!
俺がビビり上がって固まっていると。
「はははは~!
腰が抜けたか?ぺいたんよ!
その子らは、スタンダードプードルとグレートデーンじゃ!」
女が爆笑しながらそう説明する。
なんか俺が見た史上、いっちばん笑ってるんだけど?
笑ってる暇があるなら助けろよ!
何だよ、もうっ!
二人は女の腰の高さと同じくらいの体高だ。
グレートデーンがヒョイっと後ろ足で立ち上がり女の体に前足をついて甘えている。
完全に女より背が高い…。
とりあえず俺は女の足許へ急いで逃げて様子を伺う。
そうすると今度はデカイ二人は物珍しそうに俺を覗きこむようにして見つめてくる。
や~め~て~く~れ~。
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