俺、ぺいたん。

犬カフェ

恥ずかしいのと怖いのとない交ぜになって俺は女の足にしがみつく。
女は俺を抱き上げながら、

｢この子らは非常によく訓練されとるから、お前の事を苛めたりしないぞ？｣

ほれ、とまたもや相手の前に座らされたが、成る程、吠えもしないし威嚇もしない。

飼い主さんが出て来て、びっくりするよねぇ～と笑う。
でも実はチワワが最年長、このグループの隊長で他のは子分なんだと。
見ていると確かにチワワが偉そうに皆を仕切っている、
何とも不思議な光景だが。
お散歩する時はみんな揃って。実は女の叔母さんもこの御一行様を知っているそうで、界隈ではかなり有名なんだとか。
グレートデーンが一番のオチビさんでまだ生後半年、まだまだ大きくなるんだって。
グレートデーンはきちんとお座りして紳士的な態度だ。
スゴいな、こんなに強そうなのに大人しくしてるよ、
頭だけで俺の体よりか大きいぞ！
すごく賢そうに見えるし、チワワ隊長の言うこときちんと聞いてるし。

…そうだ！帰ったらみんなに自慢してやろう。
スゴい奴と友達になったんだぜ！って。
…俺がビビったのは内緒だけどな。

女はそのあと、一頻り茶飲み話などを楽しんでデコボコグループにサヨナラを言う。
デコボコ隊の飼い主さんとサカモトに、病気に負けるな！頑張れよ、ぺいたん！と励まされ店を後にした。