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そうこうしている内に家に着いて、女は俺を抱き上げて庭へと放した。
ハーネスを長いリードに繋いでくれ、しんちゃんがすぐに出迎えてくれる。
留守番御苦労様、ぺいたんを見ていてくれよ?
女はそう言うと一度、本屋へと入り、よっ君にただいまを告げた。
よっ君は女が呼ぶ声で座敷から姿を現し、そして庭へと出て来た。
相変わらずの無表情だが俺を見つけるとイソイソ近付いて来る。
ちょっと緊張しながらその姿を見ていると。
うにゃ、
一声鳴きながら俺の頭を鼻先でつつく。
これ、きっと、よっ君なりの挨拶なんだよな?
俺も鼻先をクンクンして返す。
途端にサッと体を離し松の木へと飛び乗った。
やっぱりよく分からない。
俺、嫌われてるのか?
悩む所だがしんちゃんは、
「あら?
よっ君的には最高に愛想よくしてるつもりよ?」
などと言うじゃないか?
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