秋の夕暮れ

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ニンゲンとクルマで溢れかえるモータープール。 三々五々、楽しげに笑いさざめきながら店内へ入って行く。 何軒かの出店も並び、活気のあるそんな場所に、俺は棄てられた。 「誰かが餌をくれてやるだろうし。 いい人に拾われるかも?」と言う、 勝手な言い分によって。 だが見てみろ。 そんなニンゲンなんか居やしない。 それもそうだ。 今の俺はとにかく汚い。 座り込むのがやっとの俺は、通行人の足に擦り寄ってかわいらしく鳴いてみる、なんてことも出来やしないんだから。 大抵のニンゲンは汚い、と嫌悪感を露にして俺を避けていく。 ただ、何人かは痩せてボロボロの俺を見て気の毒がり、自分たちが出店で買った鶏の唐揚げやら魚の炭火焼きやらを投げて寄越す。 下痢は止まらないんだけど腹は減ってるんだ、 もらったものを食べてはみるが…、 何だろう? すぐに吐いてしまう。 運良く腹の中に収まったとしても、それは消化されずに原形をとどめたまま、尻から出やがる。 ああ、もうすぐ日が暮れる。 今日はどこで寝ようかな…。
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