泉の中の妖宮

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 だが、彼にとっては好都合だったからだ。 今にもヴィージュはベッドに誘おうとして右腕を掴んできたとき、彼はそれをやんわりと外した。 「どうしました?もしかして、私のようなもの嫌ですか?」と悲しそうに言ってくるが彼は笑顔で頭を横に振った。 「俺には過ぎたものだ…」と自嘲しながら、自分の服を胸にあるあれを見せようとはだけた。  すると、それを見た彼女は驚愕した。 「そ……その痣は………」 「やはり、お前は人ならざる者だろ?」と言われヴィージュは何かに失望したのか膝からガクッと床に落ちた。 「やはり……お前もこの痣を知ってるんだな?」と問い詰めるように言ってみたら、彼女はフラフラと立ち上がってベッドに腰かけた。 そして、彼女の口からポツリポツリと語り始めた。
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