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でも、それをとやかく言うことも出来ずそのまま彼を送ってしまった。
自分の胸が痛むほど彼の温もりは愛しかった。
だが、どこぞの人が教えたのかヴィージュが人ではないことがバレた。
ヴィージュの正体は白蛇の妖怪というものだった。
彼女の肌が荒れないのが不思議に感じた女達が働いていた街の偉い人に告げ口したらしかった。
そのせいで、街から追われ、その後に退治者を追いかけられ、森の中に入り、先程の泉に追い詰められた。
「もう、逃げられないぞ!大人しくくたばるんだな」
後がないってときにヴィージュは悔しさでいっぱいだった。
「何故、私の正体がバレたのですか!あの女達……なんて……」と言いかけて、頭の中である思考が浮かび上がった。
(もしや、あの男が……)
その瞬間、深い絶望感が襲いかかってきた。
そして、それからヴィージュは死ぬ思いで背中から泉に落ちた。
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