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そう言われたヴィージュは暫く考えてから、イサエルの前から出て彼の手に自分の手を乗せようとした矢先に突然ヴィージュが彼の手を払い除けた。
「貴方の元へなんて行くもんですか!私の心を弄んだ罪は大きいですのよ!」
その後に蛇の尾で彼を凪ぎ払おうと大きく振るも彼は胴体を霞に変えて難を逃れた。
「やはり、駄目か…女の恨みは大きいというからな」と憎まれ口を吐きながら足を後ろに下げた。
「まぁいい。挨拶はすんだからな…」
すぐに興味を失ったかと思ったら今度はイサエルの方を見た。
「僕はジョアスという。城で待っている…」
そう言って、ジョアスは踵を返して森の中にある闇に溶け込んでいった。
危機が去って、フッと力無く膝から崩れるヴィージュにイサエルは慌てて駆け寄った。
「大丈夫です……ずっと気を張っていたので思わず力が……」
「ああ、よく頑張った。ヴィージュ。」と優しく労った後に彼が去った方角を睨み付けていた。
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