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「はい……でも、いつもイサエル様はさっきみたいに何処かへ行ってしまうことは多々あるのです!」と最後に頬を膨らませて怒りの表情を見せていた。
言葉にはトゲがあるもののやはりそこには愛を感じ取っていた。
「私の付け入る隙は無さそうね…」と一人で落胆するような息を吐いた。
すると、ブルラが彼女の吐息に気づき彼の肩から飛び立って近づき彼女の顔の前に出た。
「ヴィージュさん……貴女に一つ頼みたいことがあるのです…」
そういう彼女の表情は何処か真剣で、そして悲しそうだった。
それから、イサエルとブルラはヴィージュに別れを告げその場から去っていった。
二人の背中を見つめる彼女は胸に手を当てて、小さく祈りを込めた。
「どうか……イサエルに幸福の加護を……」
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