秘める姫

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秘める姫

 それから、三人は心に落ち着きを取り戻しその場から離れ森に入り、そしてそこから抜けると広大な草原が広がっていた。 それを初めて()の当たりにしたヴィージュは驚きを隠せないでいた。 「本当に人間が一人もいないんですね……」 「ああ、残っているのは俺とブルラ、ヴィージュ……そして…あいつだ」と最後に憎しみを込めてなのか彼の名を告げず吐き捨てた。 その様子を見ていたブルラは心配そうにソッと彼の肩に座り、彼の顔を見上げてこう言った。 「大丈夫です!私は何があってもイサエル様を信じています!」 彼女のとても明るい声にイサエルは気持ちが晴れやかになるのを感じた。 「ありがとう、心配かけたな…ブルラ」と返した。 「仲が良いのですね…お二人は…」と言うヴィージュの瞳は羨望に満ちていた。 「そうだな……この子とはかなり永い付き合いだからな……」と言う彼の言葉には愛しさが含まれていることをヴィージュは気づいていた。
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