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先輩が卒業式の日、私は飲み物を買うために、自販機の近くへ行く。
自販機に近付くと、先輩と空実の声が聞こえた。
「剛(つよし)お兄ちゃん、私の事も他の人と一緒で、遊びだって事に気がついてたよ? だからね、私の友達がお兄ちゃんの事好きって言ってたから、諦めてもらえる様に私がお兄ちゃんに告白したの。これ、秘密だよ。名前は市花ちゃん。最後になっちゃったけど、卒業おめでとう、お兄ちゃん。そしてさようなら」
私はそこまで聞くと、逃げるように走り去った。
秘密は秘密のままであればよかった。
この気持ちは知らなければよかったのに……。
私はそう思いながら一人、泣いた。
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