小さな嘘(シウス)

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小さな嘘(シウス)

『うわぁぁぁ!』  心地よい午後の微睡みを破る声と共に、ガサガサと頭上でした音。見上げた次に飛び込んできたあどけない表情のその子は、明るいライトブラウンの瞳で私を見つめていた。 『ごめんなさい! 訓練中に落ちてしまって……怪我、ありませんか!』  押し倒された私を見下ろす泣きそうな表情がとても愛らしいと思った。  あれから四年。全てはあの時からだったのだ。
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