好きでいて、いいですか?(ラウル)

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「僕……僕は罪人です。罪の無い人を沢山殺しました。決して綺麗じゃありません」 「ラウル」 「そんな僕でも、いいでしょうか? シウス様の側に、いても…………うっ、側にいたいです。必ず償います。だから…………僕を、貴方の家族にしてください」  やっと、言えた。やっと出てきた。まだ刑期は残っているけれど、必ず償っていく。その後も、供養もしていくから。だから……。  シウスは柔らかく笑って、頷いて、抱きしめてくれた。そして耳元で、そっと囁いてくれる。 「勿論じゃ。私の家族はラウル、其方のみじゃ」  孤児のラウルと、両親を失っているシウス。孤独な二人はこの夜晴れて、一つの家族となった。  一件落着後、最初の安息日。シウスの部屋にはお馴染みのメンバーの他に、ちょっと変わった人も加わってのお祝いが行われていた。 「それでは、シウスとラウルの結婚を祝して、かんぱーい!」 「「乾杯!!」」  陽気なオスカルはいつも以上に嬉しそうに音頭を取っている。その側にはエリオットがいて、同じく嬉しそうに笑っていた。  ファウストの隣にはランバートが。そしてクラウルの隣にはゼロスがいる。     
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