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【R18】甘い甘い一夜(ラウル)
結局夕刻まで騒いだ人達は、それぞれに解散していった。
すっかりお酒で赤くなったエリオットを支えて、やけに嬉しそうなオスカル。
つれない態度のゼロスを少し強引に誘い込むクラウル。
最後まで片付けなんかをしていったランバートは不意打ちで「今日は隣りにファウストいないから」なんて、悪戯っぽい笑顔で言って出て行った。
「静かになったの」
「そうですね」
柔らかな暖炉の明かりが暗い室内を染め上げている。その光景に、ふとシウスが笑った。
「覚えておるか、ラウル? あの暖炉の前で……」
「あっ、あれは! おっ、覚えてません!」
恥ずかしさがこみ上げて顔を真っ赤にしたラウルに、シウスはクスクスと笑う。そして、頬に手を添えた。
「本当に、覚えはないかえ?」
「恥ずかしい、です……」
「そうかえ? 私は嬉しかったぞ。求められるのも悪くない」
「あの時は必死で! その……なかなか踏み込めない事に、焦っていて」
いつまでも子供扱いされている気がして、踏み込みたかった。だから自ら脱いで誘ったんだ。
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