凄惨な新年

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「死後二日くらいかな。新年早々、幸せな家族の時間だってのにね」 「一月二日か……家政婦はその間この家には?」 「来てない。年末に料理を作り、次は一月四日の契約で、契約満期は一月六日まで。家族は元々王都生活で、年末年始だけ別荘に来ていたみたいだね」  そこを狙われたのか。それにしたってこんな殺され方をするほど、嫌われていたのだろうか。周囲に聞き込んでみなければならない。 「解剖も僕でするかい?」 「お願いします。エリオット様も忙しいし、リカルドさんも出払ってるので」 「……どういうこと?」 「事件はこの一件だけじゃない。ということです」  早朝にもたらされた凄惨極まりない事件は、この一件だけではなかったのである。
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