終末の恋

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彼女は激高して楯突いたが、僕は反論することなくただただ無言を貫くと、降参するように萎れていった。 「・・・怖いよ。そりゃあな。というかお前は怖くないのかよ?」 「僕?僕は怖くないよ」 「はぁ?明日には皆死ぬんだぞ?」 「うん。それでも」 「ホントかよ!?はぁ、能天気ってのは羨ましいねぇ」 僕には生きる目的も理由もない。 目的と理由が無ければ死ぬことは消して畏怖する存在ではなく、むしろ喜ばしきものとしても捉えられる。 それでも僕が尚、生きているのはいつかきっとその意味を見つけられると心のどこかで期待しているからだろう。 「なんだよ。やっぱ怖いんじゃねーか」 突然、意趣返ししたように仏頂面の彼女は言う。 「怖くないよ」 「嘘つけ、怖いんだろ?」 「怖くないよ」 「じゃあ・・・なんで泣いてんだよ・・・」 「・・・」 頬を伝う熱い雫は何を思って流れているのだろうか? 僕にはそれは分からない。 それでも、温かい体温が僕を抱きしめるのを感じた時、僕は後悔した。 やはり、学校に来るのは間違いだったのかもしれない・・・ 空に映る隕石は肉眼で確認できるほどになっている。 僕は力なく垂れさがる腕を彼女の背に回し、少しだけでも長く生きたいと願った。
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