深空くんの青いピアス

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「瑠璃、おはようー!」 「おはよう」 挨拶を交わしてるうちに、次々と登校してくる生徒で一気に教室が賑やかになった。 さっきの出来事が、まるで無かったかのように…… 私は、握った掌を緩めてそっと開く。 そこに、直径5mmほどの宇宙が、確かにある。 そして、今は隠れている深空くんの左耳にも。 『似合いそうだから、あんたも』 深空くんの言葉が、頭のなかでリフレインする。 ぎゅーっと胸の奥が熱くなる。 「参ったな……」 誰にも聞こえないように、 小さな呟きを溢した。 この気持ちが何なのか、 ……私はもう気づいてしまった。 生まれたばかりのフワフワした感情も一緒に、 今度は優しく、 キュッと掌を握りしめた。
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